1都3県 小規模マンションのDATA分析
「小規模マンション」という用語はとくに定義はないようで、行政の調査では通常「戸数」を基準に、20~40戸程度のものを「小規模マンション」として取り扱っています。今回の分析は、1都3県における総戸数40戸以下のマンションを対象として、さらに小規模なクラスについても対比分析を加えます。
1都3県には50,380件(2012年末時点)のマンションがあり、このうち小規模マンションは27,668件で、シェアは55%。半数以上が小規模マンションです。
地域別では東京都に17,100件、神奈川県6,906件、埼玉県2,333件、千葉県1,329件。東京集中の傾向がみられます。
1都3県 地域別、規模のマンション件数 | ||||
地域名 | 20戸以下 | 21~30戸 | 31~40戸 | 計 |
東京都内 | 5,145 | 5,507 | 4,048 | 14,700 |
東京都下 | 867 | 835 | 698 | 2,400 |
横浜市 | 1,175 | 1,436 | 966 | 3,577 |
川崎市 | 563 | 490 | 453 | 1,506 |
神奈川県下 | 594 | 648 | 581 | 1,823 |
埼玉県 | 548 | 921 | 864 | 2,333 |
千葉県 | 314 | 505 | 510 | 1,329 |
計 | 9,206 | 10,342 | 8,120 | 27,668 |
マンションデータサービス調べ(2012年12時点)
当社ではマンションの数を敷地が同じ共有建物を1件とする「件数」で表示しています。団地のように複数の共有建物(棟)で構成される場合でも1件と数えています。「棟数」は建物の数を示すものです。基準を「件数」、「棟数」のいずれを選ぶかで対象数に大きな差がでるので確認が必要です。
小規模マンションの対全体比を地域別にみると東京都内が62%で抜けており、横浜市、川崎市が55%でこれに続いています。さらに東京都内で比率の高い地域を調べると世田谷区が76%、杉並区が72%、目黒区が71%、中野区が70%となり、ここでは小規模マンションが主体になっています。
このように小規模マンションは、人口密集の都市型の行政区に圧倒的に多いようです。まとまった土地の入手が困難な場合が多いので、当然の結果といえます。小規模マンションの平均戸数は東京都内24戸、横浜市、川崎市が25戸。課題は経年化への対応という点に絞られるでしょう。